これはクラブのある家族の話です。
今日は、うちの子がレスリングを始めてから初めての試合に出るまでの半年間を、まるっと振り返ってみます。「うちの子も始めてみようかな」と思っている方の参考になればうれしいです。
きっかけは、たまたま見つけた体験会(0ヶ月目)
始まりは本当に偶然でした。市の広報誌の隅っこにあった「ちびっこレスリング体験会・参加無料」の文字。
正直、最初は「レスリング?ないない」と思いました。うちの子は公園で転んだだけで泣くタイプ。滑り台の順番を抜かされても何も言えないタイプ。格闘技なんて一番縁がないと思っていました。
でも「無料だし、体力発散になればいいか」くらいの気持ちで参加してみたら——
マットの上ででんぐり返しをするわが子が、見たことないくらい笑っていました。
帰り道、「またいきたい」と言われて、そのまま入会。人生、何がきっかけになるかわかりません。
練習はほぼ「マット遊び」だった(1〜2ヶ月目)
入会して驚いたのが、最初は全然「レスリングっぽいこと」をしないこと。
- でんぐり返し、後ろまわり
- クマ歩き、カエル跳び
- コーチにしがみついてぶら下がる
- マットの上で押し合い
要するに、全身を使った遊びです。この時期に「マットの上は楽しい場所」と体で覚えるのが大事なんだとか。
あと、意外だったのが礼儀にとても厳しいこと。練習の始めと終わりのあいさつ、コーチの目を見て返事、道具を並べる。「格闘技=怖い」のイメージが、この頃にはだいぶ変わっていました。
初めての壁、「練習イヤイヤ期」(3ヶ月目)
順調に見えた3ヶ月目、突然「きょうはいきたくない」が始まりました。
理由を聞くと、「〇〇くんに勝てないから」。練習でスパーリング(組み合う練習)が始まって、同じクラスの経験者の子に毎回コロコロ転がされていたのです。
ここで親としてめちゃくちゃ悩みました。無理に行かせるべきか、休ませるべきか。
コーチに相談したら、返ってきた言葉がこれでした。
「負けるのが悔しいのは、勝ちたい気持ちが育ってる証拠ですよ」
結局、「見学だけでもいいよ」と連れて行ったら、みんなが練習してるのを見て自分もやりたくなったらしく、途中からしれっと合流していました。子どもって、そんなもんです。
「試合、出てみる?」(4ヶ月目)
ある日の練習後、コーチから「来月の大会、出てみませんか」と声をかけられました。
正直、親の私が一番ビビりました。まだ4ヶ月ですよ?タックルだって習いたてですよ?
でも本人に聞いたら、まさかの即答。
「でる。メダルほしい」
動機が不純!でも、それでいい!
親も初めてだらけの試合準備(5ヶ月目)
出場を決めてからは、親も初めてのことだらけでした。備忘録として残しておきます。
- シングレット(あのピチピチのユニフォーム)を購入。 小さすぎるサイズ表記に戸惑うが、あれくらいピチピチで正解らしい
- レスリングシューズも購入。 出費はかさむが、履いた姿が最高にかわいいので実質無料
- 体重測定が毎週の習慣に。 階級制なので体重管理が地味に大事
- 爪切りは前日必須。 相手を傷つけないためのルールでもある
そして練習は週1から週2へ。タックルの打ち込みをする姿が、ちょっとだけ「選手」に見えてきた頃です。
試合当日(6ヶ月目)
朝5時起き。会場に着くと、そこは熱気のかたまりでした。マットが3面、あちこちで響くホイッスル、飛び交う声援。
計量を済ませ、アップをして、いよいよ招集。緊張で顔がかたまるわが子。私はもっとかたまってました。手汗がすごかった。
1回戦。
ホイッスルと同時に、相手の子が飛び込んできました。あっという間でタックルされて、転がされて、押さえ込まれて、この繰り返しで——負けました。
何もできませんでした。本人、マットの上で号泣。
でも、ここからがこの日一番の思い出です。
泣きながらマットを降りてきたわが子に、コーチが一言。「最後まで逃げなかったな。えらいぞ」
そして負けた相手の子が寄ってきて、「またやろうね」と握手。6歳児同士、さっきまで全力で戦ってたのに。この世界、ちょっと素敵すぎませんか。
帰り道の一言
車に乗ってしばらく、ずっと黙っていたわが子が、ぽつりと言いました。
「つぎは、かつ」
メダルはもらえなかったけど、この半年でもらったものは、たぶんメダルより大きい。
初試合、結果は何も出来なく負け。でも母は断言します。出てよかった。
これから始める方へ
最後に、半年やってみて感じたことを3つだけ。
- 運動神経は関係ない。 うちの子は泣き虫のマイペースでしたが、ちゃんと選手の顔になっていきます
- 最初は遊び。 いきなり激しいことはしないので、体験会だけでも気軽にどうぞ
- 負けても大丈夫。 むしろ負けた日にこそ、子どもは一番成長します
次回は初試合のリベンジ編……になったらいいと思います。



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