「あの人なら分かってくれると思っていたのに」
「これだけ会社に尽くしてきたのに」
こう思った夜は、なかなか眠れません。腹が立つし、悔しいし、何より、ずっと胸のあたりが重い。
私にも、そういう夜がありました。そして、何度かそういう目にあって、ようやく分かったことがあります。
腹が立つのは、相手がひどいからだけではありません。こちらが、当てにしていたからです。
冷たい話に聞こえるかもしれませんが、自分を守るための話です。
腹が立つのは、当てにしていたから
人を当てにしていて、裏切られる。会社を当てにしていて、急に配置換えや左遷を言われる。最悪の場合は、クビになる。
こういうとき、腹が立つのは当然です。ストレスもたまります。
ただ、少し冷静になって考えると、その怒りの大きさは、当てにしていた大きさとほぼ同じです。
最初からそこまで期待していなければ、同じことが起きても「まあ、そういうこともあるか」で済みます。期待が大きいほど、外れたときの落差が大きい。
「当てにしない」と「信じない」は違う
誤解されやすいので、先に書いておきます。
当てにしないというのは、人を信じないことではありません。
人を信じるのは大事です。信じなければ、仕事も人付き合いも始まりません。
私が言っているのは、自分の人生の大事な部分を、他人に預けきらないということです。
- 信じる:一緒にやる、頼る、助け合う
- 当てにする:その人がいないと、自分が立てなくなる
前者は健全です。後者になると、相手が離れた瞬間に自分も倒れます。信じながら、預けきらない。その距離感が大事だと思っています。
会社は、あなたの人生までは面倒を見ない
会社について、はっきり書きます。
会社は、会社の都合で動きます。
業績が悪くなれば人を減らします。人が足りなければ、本人の希望と関係なく配置を変えます。それが悪いというより、会社とはそういうものです。

特に田舎だと、会社の選択肢が少ないぶん、「この会社しかない」と思い込みやすい。そして、会社のほうもそれを分かっています。
- 何年いても給料が上がらない
- 断れない空気で仕事が増える
- 辞めたら行くところがないと思わされる
「会社がなんとかしてくれる」は、今の時代、いちばん危ない思い込みの一つだと思います。
自分もタダ働き当たり前の会社経験しました。
人も、ずっと同じではいられない
人のほうも同じです。
仲が良かった人が、立場が変わって冷たくなる。頼りにしていた人が、自分の都合を優先する。これは、相手が悪人だからとは限りません。
人は、自分の生活が一番大事です。それは私も、あなたも同じです。
だから、相手に「いつまでも自分の味方でいてくれる」ことを求めると、どこかで必ず苦しくなります。相手にも、その人の事情があるからです。
その会社や人を選んだのは、自分
ここは、少し耳の痛い話です。
腹が立つ相手を選んだのも、その会社に入ったのも、最終的には自分です。
これは「あなたが悪い」という意味ではありません。理不尽なことをする人や会社は、もちろん相手が悪い。
ただ、人のせいにしたままだと、自分は何も変わりません。次も同じような人を選び、同じような会社に入って、同じように腹を立てることになります。
「選んだのは自分だ」と思えると、見方が変わります。選んだのが自分なら、次に選び直すのも自分にできる。そう考えられるからです。
自分の足で立てるようにしておく
では、当てにしない代わりに何をするか。
自分の力で動けるようにしておくことです。

- 手に技術をつけておく(資格、腕、どこでも通用する経験)
- 少しでいいから、蓄えを持っておく(辞める自由は、お金がある人にしかない)
- 会社の外にも、人のつながりを持っておく
- 逃げ道を、普段から頭の中に作っておく
全部いっぺんには無理です。でも、一つでもあると、気持ちがまるで違います。
「最悪、ここを辞めても何とかなる」と思えるだけで、会社の理不尽にも、人の裏切りにも、必要以上に振り回されなくなります。
離れていい。辞めていい
それでも、どうしても合わない人や会社はあります。
人なら、距離を取る。必要なら縁を切る。
会社なら、転職を考える。
どちらも、逃げではありません。自分を守るための、まっとうな判断です。
嫌いになる必要も、喧嘩する必要もありません。ただ、自分にとって苦しい場所から、静かに離れればいい。そのための足場を、普段から作っておく。それが、この記事で一番言いたいことです。
まとめ
- 腹が立つのは、当てにしていたから。怒りの大きさは、期待の大きさと同じ
- 当てにしないことは、信じないことではない。信じながら、預けきらない
- 会社は会社の都合で動く。人生まで面倒を見てはくれない
- 人にも、その人の生活がある。ずっと同じ味方ではいられない
- 選んだのは自分。だから、選び直すこともできる
- 自分の足で立てるようにしておく。技術、蓄え、外のつながり、逃げ道
当てにしなければ、裏切られることもありません。
それは寂しいことではなく、誰に何をされても、自分は大丈夫だと思える強さだと、私は思っています。



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