小学生レスリングで試合に勝つコツ。「強い技」より大事な7つのこと

ちびっ子レスリング

「先生、どうしたら試合で勝てますか?」

20年、幼児から小学生までレスリングを教えてきましたが、この質問は本当によくされます。

子どもからも聞かれます。

そして、お父さんお母さんからも聞かれます。

「練習では結構できているんですけど、試合になると勝てないんです」

「何か必殺技みたいなものを覚えた方がいいですか?」

その気持ちは、よく分かります。

試合で負けると、

「もっと技を覚えないと」

と思ってしまうんですよね。

でも、長く子どもたちを見てきて思うのは、

小学生の試合は、技をたくさん知っている子が勝つとは限らない

ということです。

むしろ低学年や初心者ほど、勝敗を分けるのはもっと単純なところだったりします。

今日は、私が思う

「小学生がレスリングの試合で勝つために大事な7つのこと」

を書いてみます。


1.最初の笛で負けない

まず一番伝えたいのがこれです。

試合開始の「ピーッ!」で動く。

たったこれだけです。

でも、小学生の試合を見ていると、これができるかどうかはかなり大きい。

笛と同時に飛び出す子と、まだ動けずにいる子

笛が鳴って、

「さて、どうしようかな」

と考えている子。

笛が鳴った瞬間、

バッ!

と前に出る子。

どちらが試合の主導権を握りやすいか。

当然、後者です。

もちろん、何も考えず突っ込めという意味ではありません。

でも、

「相手が何かしてくるのを待つ」

状態にはしない。

構える。

前に出る。

頭や手を使う。

自分から触る。

自分の得意な形に持っていく。

試合開始の数秒で、

「今日は俺が攻めるぞ」

という姿勢を見せることは大切です。


2.最初のポイントを取りにいく

子どもの試合では、最初のポイントはかなり大きいと感じています。

もちろん先にポイントを取られても逆転できます。

でも、小学生の場合、

先にポイントを取ったことで気持ちまで乗ってくる

ことがよくあります。

「いける!」

と思えるんですね。

逆に先に取られると、

「ヤバい」

「また負けるかも」

と一気に弱気になる子もいます。

だから私は、

最初の1点、最初の攻撃を大事にしよう

と伝えています。

いきなり大技を狙う必要はありません。

自分が練習してきたタックル。

相手を崩してバックに回る。

場外際で最後まで攻め切る。

ルールによって得点方法は違いますが、レスリングは当然、ポイントを積み重ねる競技です。

だからこそ、

「まず自分から点を取りにいく」

という意識を持ってほしいと思っています。


3.技は一つでいいから「最後まで」やる

これ、本当に大事です。

タックルに入った。

相手に止められた。

すぐ離す。

またタックルに入る。

止められた。

また離す。

これでは、なかなか点になりません。

試合で勝てない子を見ていると、

技に入れていないのではなく、入ったあとに諦めている

ことがあります。

逆に強い子は、簡単に諦めません。

タックルを切られても、

もう一歩。

相手が逃げても、

もう一歩。

形が崩れても、

もう一回つなぐ。

この、

「あと一歩」

がポイントになります。

小学生に10個も20個も技を覚えさせる必要はないと私は思っています。

タックルならタックル。

がぶりならがぶり。

投げが得意なら投げ。

「これなら自分は勝負できる」

という技を一つ作る。

そして試合では、その技を中途半端に終わらせない。

これだけでも試合は変わります。


4.下を向かない

技術的な話でいうと、私が子どもたちによく言うのが、

「頭を下げるな」

です。

頭が下がって姿勢が崩れた子と、頭を上げて構えている子

疲れてくる。

怖くなる。

相手の力が強い。

そうなると、だんだん姿勢が高くなったり、頭が下がったりします。

すると相手に攻められやすくなります。

レスリングの基本はやっぱり構えです。

頭を上げる。

膝を曲げる。

手を前に出す。

相手を見る。

派手ではありません。

でも、

苦しくなったときほど基本姿勢に戻れる子は強い。

これは間違いなく大事だと思っています。


5.場外際で勝負をやめない

試合でよくあるのが、

「もう外に出るからいいや」

という感じで力を抜いてしまうことです。

でも、

場外際こそ、もう一踏ん張り。

ここで最後まで足を動かせるか。

相手についていけるか。

逆に自分が押されているなら、ただ真っすぐ下がらずにどう戦うか。

マット際の攻防は、そのまま勝敗に関わります。

だから普段の練習から、

「場外に行ったから終わり」ではなく、笛が鳴るまでレスリングする。

この習慣をつけておくことが大切です。


6.試合直前に新しいことをしない

これは子どもというより、親御さんやコーチにも伝えたいことです。

試合直前になると不安になります。

「相手、強そうだな」

「こういうタックルやってみたら?」

「この技知ってる?」

いろいろ教えたくなる。

でも私は、

試合直前ほど、やることを減らした方がいい

と思っています。

直前に新しい技を教えても、子どもは混乱するだけです。覚えきれないまま、プレッシャーだけが増えます。

だから私は、

「いつものタックルでいい」

「先に触ろう」

「頭下げるなよ」

くらいで送り出す方が好きです。

試合直前に10個言っても、小学生は覚えられません。

むしろ、

今日やることを一つ決める。

これくらいでいい。


7.「勝ちたい」より「攻める」

そして最後。

これが一番大事かもしれません。

試合前に、

「絶対勝つぞ!」

「今日は勝たないと!」

と言いすぎると、逆に動けなくなる子がいます。

勝ちたい。

負けたくない。

だから、

失敗するのが怖くなる。

タックルに行けなくなる。

相手が来るのを待つ。

守って、守って、最後に負ける。

そんな試合を何度も見てきました。

だから、

「勝て」

ではなく、

「攻めてこい」

でいいと思っています。

タックルに入って失敗してもいい。

投げを狙って失敗してもいい。

攻めた結果、負けることもあります。

でも、小学生ならそれでいい。

むしろ、

攻めて負けた試合には、次につながる材料がたくさんあります。


結局、試合に勝つ子は何が違うのか

20年子どもたちを見てきました。

身体能力が高い子。

運動神経がいい子。

力が強い子。

器用な子。

いろいろいました。

もちろん、そういう能力は武器になります。

でも、小学生のうちはそれだけで全部決まるとは思っていません。

私が試合で強いなと思う子は、

基本を最後までやめない子です。

構える。

前に出る。

自分から攻める。

入った技を最後までやる。

苦しくても頭を上げる。

場外際でも諦めない。

そして、負けてもまた攻める。

ものすごく地味です。

でも、

レスリングって結局、こういう地味なことを最後までやれる子が強いんです。


親御さんにお願いしたいこと

最後に一つだけ。

試合を終えて戻ってきた子に、タオルを渡して迎える母親

試合が終わって子どもが戻ってきたとき、

いきなり、

「なんでタックル行かなかったの?」

「さっき練習したじゃん」

「もっと攻めないと」

と言うのは、少し待ってあげてください。

本人が一番分かっています。

そして本人が一番、

勝ちたかったはずです。

だから最初は、

「お疲れ」

でいい。

少し時間がたってから、

「今日、何ができた?」

と聞いてみてください。

勝った試合にも課題があります。

負けた試合にも成長があります。


明日の試合で一つだけやるなら

この記事を全部覚える必要はありません。

もし明日試合があるなら、子どもに一つだけ伝えてください。

「自分から攻めてこい」

これだけです。

勝つか負けるかは、相手がいるので分かりません。

でも、

攻めるかどうかは、自分で決められます。

タックルに入って負けた。

最後まで攻めて負けた。

それなら私は、

「よし、次だ」

と言えます。

子どものレスリングは、今日の一勝だけがゴールではありません。

一回攻められた。

一回逃げられた。

昨日できなかったことが一つできた。

その積み重ねの先に、

いつの間にか「勝てる子」になっている。

20年見てきて、私はそう思っています。

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